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ストレステストの結果発表後

7月23日にストレステストの結果発表を終えた先週の外国為替(FX)市場では全般的にドルが軟化し、対円では85円台の安値、対ユーロでは1.31台の高値をつけることとなった。長期トレンドでは下落局面にあるドル円だが、週初には米6月新築住宅販売件数の良好な結果をうけて87円40銭付近へ上昇するなど堅調な動きもあり、28日には88円台の高値をつける場面を見せた。しかし、その後は売り圧力に押され続け、6月米耐久財新規受注が前月比1.0%の減少と市場予想(1.0%増加)を大きく下回るとドル円は87円台半ばへ下落。さらに、米連邦準備理事会(FRB)の地区連銀経済報告(ベージュブック)で、アトランタ、シカゴの2地区で経済活動ペースが最近鈍化したと報告されると87円25銭付近まで下落することとなった。

 

29日には、30日発表予定の米4-6月期GDP(国内総生産)の低調な結果を織り込む動きや、ブラード・セントルイス連銀総裁の「FRBは米国債を買い入れし、ショックに対応すべき」というハト派的な発言などをうけて、下値抵抗線を射程に捉える86円55銭付近まで下落することとなった。ドル円では、86円25銭付近がここまで強力な下値抵抗線として存在していたが、30日の東京時間には相場はこのレベルまでじり安となってきた。その後、ニューヨーク時間に発表された米第2四半期の国内総生産(GDP)速報値が市場予想を下回って発表されると市場は一気に下値トライへ傾き、2009年11月以来の安値となる85円95銭付近の値をつけた。このレベルではなお買い手も強く、その後7月シカゴPMI、米7月ミシガン大確報値の好結果をうけて、ドル円は86円70銭レベルまで値を戻している。

 

一方、ユーロドルは週初より堅調な動き。米6月新築住宅販売件数をうけて1.3000ドル付近へ到達すると、27日にはドイツ銀行とUBS銀行の好決算などをうけた欧州株の上昇や、ユーロ圏マネーサプライM3の好結果を受けて1.3040ドル付近まで上昇した。28日の弱い米国指標結果にも底堅さをみせ、29日にはムーディーズによる「米国がAAA格付けを維持するには、信頼ある債務削減計画が必要」との声明を受けたドル売りがストップを誘発して、ついに今年5月以来12週間ぶりの高値となる1.3105ドル付近の値をつけることとなった。このレベルではさすがに売り圧力が強く、30日にはスペイン格下げ懸念などで一時1.29ドル台まで下落する場面もあったが、同日のニューヨーク終値頃には1.30ドル台ミドルまで戻している。

 

その他通貨では、NZドルが対ドル、対円で下落。29日にNZ中銀により発表されたNZの政策金利では、大方の市場予想通り0.25%の引き上げであったが、その後の声明で「利上げのペースは、より緩やかになる可能性」とハト派的な内容がアナウンスされたことが要因。NZドルドルで0.7200ドル付近、 NZドル円で62円92銭付近の安値をつけている。

 

予想通り米ドルを中心とした相場展開

先週は予想通り、米ドルを中心に為替相場が展開した。米ドルは特に対円、対欧州通貨で軟調であり、主要な経済指標の弱い結果がこれに拍車をかけている。すでに市場では、米政策金利の引上げが先送りされたとの見方が強まっており、米10年債利回りも2.9088%と3.0%を大きく割込むレベルに達しているため、米ドルの強気筋にとって有利な材料にはいささか乏しいと思われる。ただ、テクニカル的にはユーロドルが1.31ドル台に上値抵抗線、ドル円は85円台に下値抵抗線があると思われ、6日金曜には米7月の雇用統計発表を控えていることもあり、この抵抗線レベルへのトライは慎重な動きになると思われる。

 

ドル円(日足チャート)

ドル円日足チャート

 

米雇用統計では失業率が9.6%、非農業部門雇用者数変化前月比が6万人減との市場予想になっているが、雇用統計の結果が弱いものだと市場は一気にドル売りを示現することになりそうだ。その他米国指標は、2日の6月建設支出、7月ISM製造業景気指数、3日の6月個人所得・消費支出、6月製造業受注、6月中古住宅販売成約指数、4日の7月ADP全米雇用報告、7月ISM非製造業総合指数などが注目される。

 

国内では臨時国会が8月6日までの8日間の会期で行われ、2〜3日に衆院予算委員会、4〜5日に参院予算委員会の開催が予定されている。ドル円は未だ下落基調だが、84円台に近づくようならば国内要人発言も強みを帯びてくる可能性があり、そうなれば下値警戒感が一層広がることになる。

 

一方、ユーロはストレステストの審査方法に対する不透明感が一旦後退しており、市場が米ドルの動きに注視する中、どこまで上値トライを仕掛けられるかが注目ポイントとなる。欧州株式市場は反発、金融・債券市場も落ち着いており、高値トライの可能性は十分ある。ただ、対円では115円付近では売りが強まると予想され、利益確定も出やすい展開になるのではないだろうか。

 

5日にはECB理事会が予定されており、政策金利は据え置きが予想されているが、ストレステストの審査基準に対する疑問も根強いため、ユーロ圏の景気認識やストレステストについてのトリシェECB総裁の発言には注目したい。また、英国では5日に英中銀が政策金利を発表する。政策金利は0.5%で据え置き、資産買取り枠も現状維持となることが予想されており、英中銀の声明内容に大きな変化がない限りは相場への影響は限定的と思われる。

 

オセアニア通貨では、先週NZドルは政策金利発表後のハト派的発言内容をうけて下落する局面があったが、5日に4-6月期NZ失業率が発表される。また、今週3日には豪準備銀行によるオーストラリアの政策金利が発表される。現状維持の4.50%となることが確実視されているが、NZ同様、当局の声明内容が注目される。その内容次第では、4日発表の6月豪貿易収支で大きな相場の動きになる可能性もある。

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